こんにちは、おゆひよこ(@oyu_sound)です!
DTM(デスクトップミュージック)の世界では、音楽制作のクオリティを向上させるために「適切なモニターヘッドホンの選択」が不可欠になってきます
モニターヘッドホンは大きく「密閉型」と「開放型」の2つに分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです
- 密閉型ヘッドホン
外部の騒音を遮断し、音漏れが少ない一方で耳が熱くなりやすく、音場が狭い - 開放型ヘッドホン
自然な音場と透明感のあるサウンドを提供する一方で、外部の騒音が入りやすく、音漏れが多い
今回は、DTMにおすすめの開放型モニターヘッドホンを厳選し、人気の8機種を聴き比べた所感を詳しくレビューしていきます
各ヘッドホンの特徴や音質、価格帯などを詳しく解説するので、ぜひあなたの音楽制作に最適なヘッドホン選びの参考にしてください!
注意
記事内のヘッドホンのレビュー内容は、すべて主観に基づいた評価です。機種の性能を保証するものではありませんので、ご了承ください
また、これらの評価は批判の意味を持たず、あくまで個人的な感想としてお読みいただければ幸いです
人気の"密閉型"モニターヘッドホン7機種の聴き比べ&レビューは別記事でやっています
【2024】DTMにおすすめのモニターヘッドホンは?コスパ最強の7機種比較レビュー
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モニターヘッドホンはどこで購入できる?
モニターヘッドホンが売っている場所については別記事でまとめていますので、興味があれば読んでみてください
機材の購入は決して安いお買い物ではないので、モニターヘッドホンの導入を検討する際には、できるだけ試聴してから選ぶことをオススメします!
僕が今回お邪魔させていただいたのは「eイヤホン 秋葉原店 本館」です。専門店ということもあり、有名な機種は一通り揃っている印象でした(画像は2021年に撮影したもの)
密閉型と開放型のメリット・デメリット
密閉型ヘッドホン
密閉型ヘッドホンのメリット
- 外部ノイズの遮断
密閉型ヘッドホンは耳を完全に覆うため、外部のノイズを効果的に遮断。これにより、音楽制作時に集中できる - 音漏れの低減
密閉型ヘッドホンは音が外に漏れにくいため、他の人に音が聞こえにくい - 低音の再現性
密閉型ヘッドホンは低音を強調する傾向があり、ベース音がより鮮明に聞こえる - ポータビリティ
密閉型ヘッドホンは通常、コンパクトで持ち運びやすい
密閉型ヘッドホンのデメリット
- 耳への圧迫感
長時間の使用には向かないことがある。耳を完全に覆うため、圧迫感を感じやすい - 耳の熱暑さ
密閉型ヘッドホンは通気性が低いため、長時間の使用で耳が暑くなりやすい - 自然な音の再現性
密閉型ヘッドホンは音場が狭く、自然な音の再現性が低い場合がある
密閉型は、長時間つけてると耳周りが痛くなりがち!
開放型ヘッドホン
開放型ヘッドホンのメリット
- 自然な音の再現性
開放型ヘッドホンは音場が広く、自然な音の再現性が高い - 耳への圧迫感が少ない
長時間の使用でも耳への圧迫感が少ない - 通気性
開放型ヘッドホンは通気性が高いため、長時間の使用でも耳が暑くなりにくい
開放型ヘッドホンのデメリット
- 外部ノイズの遮断が低い
開放型ヘッドホンは外部のノイズを遮断しづらいため、騒音の多い環境では音楽制作に集中しにくい - 音漏れ
開放型ヘッドホンは音が外に漏れやすいため、他の人に音が聞こえやすい - 低音の再現性
開放型ヘッドホンは低音の再現性が密閉型ヘッドホンに比べて低い場合がある
開放型は、思ってたよりも外部の騒音が入ってきやすい!
おすすめの開放型モニターヘッドホン8機種のレビュー
3万円台から約20万円の開放型ヘッドホン8機種を実際に聴き比べしてきた感想などをまとめています
参考までに、僕の普段のモニター環境とか↓
- 作曲と音楽制作歴:3年目
- ヘッドホン:audio-technica ATH-M50x
- スピーカー:YAMAHA HS5
- キャリブレーションソフト:SoundID Reference
- 制作ジャンル:ハウスやEDM、Kawaii Future Bassなどのエレクトロ系6割、歌もの(ボカロ)2割、日常系などの劇伴系2割
- モニターの好みの音質:フラット寄りの音。一切の脚色がない、ってぐらいのほうが好き
- 実績:ニコニコでの楽曲採用数は500以上。地上波TVアニメの劇伴を一部担当した経験あり
今回聴き比べをしたのは、以下の8機種です(製品名をクリックすると各レビュー項目にジャンプします)
audio-technica ATH-R70x(参考価格:¥35,000)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
音の帯域バランスが良く、フラット寄りな印象です。本体の重さが210gと軽く、圧迫感もないため、装着感は良好◎
開放型ながらも低音までしっかり鳴ります。ただし、音の解像度がめちゃくちゃ良いというわけではないので、一度試聴して確認してみることをオススメします
でも、価格と性能からすると、今回ご紹介するモニターヘッドホンの中でもトップクラスにコスパが良いです
僕は最終的にSONY MDR-MV1を選びましたが、R70xは最後まで候補に挙がっていました
聴き疲れしない音(悪くいえば特徴のないフラットな音)なので、ミキシングとリスニング、どちらでも十分な効果を発揮できるのが強みです
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AKG K712 Pro(参考価格:¥45,000)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
中音域から高音域にかけて強調されている印象はあるものの、ボーカルを気持ちよく押し出してくれる「素直な音」だなと思いました
装着感に関しては、正直、R70xのほうが好みですが、K712 Proも長時間の使用に耐えられそうな快適さがあります
エージングとキャリブレーションを行うことで、さらに音質の向上が期待できると感じました。特に、生音やボーカルの再現性はこのヘッドホンの強みと言えそうです
R70xzと同様、この価格帯の中ではとても高い性能を持っている機種だと感じました
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Sennheiser HD600(参考価格:¥50,800)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
音のバランスがとてもいいです。低域から高域までバランスよく音が出ていて、特に中高域のクリアさが印象的でした
音の解像度も高く、細かな音の輪郭がはっきりと見えます。フラットな印象なので、ミックスやマスタリング用途に適していそうです
装着感については、側圧が強めであるため、頭の圧迫感が気になる人もいるかもしれません。ただし、ヘッドホン本体の作りは他の機種と比べてもかなりしっかりしていて、安心感があります
音場が適度に広く、音が自然に聞こえます。長時間の使用でも耳の疲労が少なそうですが、頭の締め付けによる疲労が溜まりやすいかもしれないなと思いました
リスニング用途としては、色付けが少ないため"若干の物足りなさ"を感じたものの、モニター用途としては音のバランスの良さと解像度の高さが魅力になります
装着感が気にならなければ、今回の機種の中でもトップクラスに性能が優秀です(側圧が強めなのが僕には合わなかった・・・)
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SONY MDR-MV1(参考価格:¥59,400)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
MV1は最終的に僕が選んだ機種ですが、とにかく音のバランスが抜群にいいです!
オープン型にも関わらず低音がしっかり出ているし、音場も広い。音の方向がちゃんと分かるので、定位のモニターとして力を発揮しそうです
音の解像度が特別に高いというわけではないものの、音の成分を聴き分けるのには適していると思いました
あと、特筆すべきなのが「圧倒的な装着感のよさ」ですね。本体も軽く、側圧もちょうどいい。長時間つけていてもストレスを感じなくて済みそうです
音楽だけでなく、ゲームや映画、ドラマ、アニメ鑑賞などにも使用していますが、セリフも聴き取りやすく、音の迫力も申し分ありません!
この価格帯のヘッドホンとしては頭ひとつ抜け出ているなというのが率直な感想です。音質、装着感ともに素晴らしく、長く使い続けたい一品だなと感じました
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beyerdynamic DT1990PRO(参考価格:¥75,800)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
密閉型にも引けを取らないほど低音が豊かです。それでいて高音の抜けもよく、低域から高域にかけてバランスよく音が出ています。空間表現も自然◎
音の解像度も高く、音場も広い。定位も見えやすいので、モニターヘッドホンとしてはかなり好印象な部類です
側圧はほんのちょっとだけ強めに感じたものの、僕にはちょうどよかったですね。音質、質感ともに満足のいく機種だと感じました
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Neumann NDH30(参考価格:¥90,000)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
クセのないフラットな印象の音で、音の分離感がよく、定位や空間が把握しやすいです
変に音を脚色した感じもないので、モニターヘッドホンとしてはとても優秀な機種に感じました
装着感については基本的にすばらしいものの、僕にはちょっと合いませんでした
側圧が少し弱め、ヘッドバンドはちょっと固め。「長時間使うと頭が痛くなりそうだな・・・」と感じたのが素直な感想です
ただ、音質や解像度、質感はとてもイイので、装着感がクリアできれば十分に選択圏内に入ってくる製品だと思います!
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AKG K812(参考価格:¥119,800)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
音の分解度が高く、細かい部分まで見えてくる印象を受けました。低音もしっかりと聴き取れ、中音域から高音域、特にボーカルが前面に出てきます
フラット寄りというよりかは、エネルギッシュで元気な感じの音なので、歌ものや生楽器が多めのジャンルとは合いそうな気がしますね
高音域の固さは使っていくうちに取れてくるそうなので、その点を考慮するとコスパもよさそうです!
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Focal Clear MG Pro(参考価格:¥178,000)
装着感 | |
高音域 | |
中音域 | |
低音域 | |
解像度 | |
音場感 |
一言でいうと「悪いところを探すほうが難しいくらい優秀なヘッドホン」です
低域から高域まで音のバランスは抜群によく、音の奥行き、音場の広さ、定位感、どれを取っても最高レベルの音という感じがします
今回ご紹介した製品の中では本体が重めですが、それを感じさせないほど装着感が素晴らしいです。長時間の使用でも疲れにくく、快適に音楽を楽しめそう
音はどちらかというとフラット寄りなのに、不思議とつまらなさを感じないので、ミキシングはもちろん、リスニングにも十分すぎるほど対応できそうだと感じました
予算が許せば、開放型のモニターヘッドホンはコレ一択と言ってしまいたくなるほど「別次元の性能」だというのが正直なところです!
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Clear MG ProよりもMDR-MV1を選んだ理由
「Focal Clear MG Pro」を選ぶこともできたのですが、僕は最終的にSONYのMDR-MV1を選びました
モニターヘッドホン単体として見たらClear MG Proが間違いなく優勝です
ただし、モニター環境のグレードアップとして考えると、ヘッドホンだけでなく、サブウーファーや吸音材を追加したほうがいいのかなと思ってしまったんですね
あとは、単純にMV1以降の製品を聴いても、価格に比例して性能の向上を思ったよりも感じられなかったというのが大きいです
僕の耳が育っていないことも大いに関係していると思いますが、MV1とClear MG Proのあいだにある「差」に10万円以上の価値があるとはまだ思えませんでした
でも、このまま音楽制作を続けていけばClear MG Proが必要になるタイミングは来るんだろうなっていう確信はあるので、今からそのときが楽しみです!
これから数年はSONY MDR-MV1といっしょに苦楽をともにして、着実にスキルアップしていこうってモチベーションがすごい(すごい)
まとめ
以上、人気の開放型モニターヘッドホン8機種の聴き比べ&レビューでした!
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