こんにちは、おゆひよこ(@oyu_sound)です
この記事では、NEUTRINOのダウンロード方法と使い方を超わかりやすく解説しています
※Windowsの画面での説明となりますが、Macの場合でも基本的な流れは変わりません
NEWS
2022年8月1日から「ずんだもん」の歌声ライブラリが新しく追加されました
NEUTRINOとは
NEUTRINOは、ニューラルネットワークを用いた無料の歌声シンセサイザーソフトウェアです
歌詞とメロディを入力した譜面データを用意することで、簡単に「東北きりたん」や「めろう」といったシンガーたちに歌を歌わせることができます
推奨動作環境
動作環境 | Windows 10 MacOS (Apple Silicon / Intel) オンライン (Google Colab) Linux (Ubuntu) |
CPU | Intel Core i5 AMD RYZEN 5 Apple M1 |
GPU(オプション) | NVIDIA製のGPU(4GB以上のGPUメモリを推奨) |
メモリ | 8GB 以上 |
ディスク空き容量 | 10GB 以上の空き容量 |
通常版とオンライン版との違い
「NEUTRINO」には、大きく分けて「通常版」と「オンライン版」があります
どちらも無料での使用が可能ですが、基本的には通常版での使用で十分かと思います
ただし、以下の項目にあたる方は「オンライン版」を選んだほうがいいかもしれません
- 推奨動作環境を満たしていない
- 「通常版」での処理速度が気になる
- スマホでNEUTRINOを使ってみたい
まずは今回の記事で紹介している「通常版」での利用方法を試してみて、問題が出てきたらオンライン版の使用を検討するといった流れがスムーズかなと思います!
-
オンライン版NEUTRINOの使い方!AIきりたんに無料で歌ってもらおう
続きを見る
2つの歌声合成システム「WORLD」と「NSF」の違い
2022年7月現在、NEUTRINOによる音声合成を行うと「WORLD」と「NSF」という2つのWAVファイルが出力されるようになっています

- NSF・・・低音の詰まった感じがなく、クリアでアタック感がある。適正音域であれば、音質的な外れがほとんどなく、品質も安定して高い
- WORLD・・・ピッチシフト・フォルマントシフトなどの加工に強く、適正音域から大きく外れた音声にも強い
「よくわからないよ!」という方も安心してください
どっちにしてもデフォルトでは2つの音声ファイルが出力されるようになっているので、両方を聴き比べてみてどちらが自身の楽曲に合うか判断すれば大丈夫です◎
NEUTRINOを始めるために必要な手順と全体の流れ
NEUTRINOを始めるために必要なものと全体の流れは以下の通りです
今回の記事の順番で進めていけば間違いないので、いまの段階でわからないことがあっても気にしなくていいです!
必要なもの
- 「NEUTRINO」本体
- NEUTRINOの「歌声ライブラリ」
- 楽譜作成ツール「MuseScore」
- MusicXMLファイル(MuseScoreで作成)
全体の流れ
- NEUTRINOダウンロード
- MuseScoreダウンロード
- MusicXMLファイルの作成
- NEUTRINOによるWAVファイル生成
①NEUTRINOのダウンロード
NEUTRINOの公式サイトにアクセスし、「DOWNLOAD」もしくは「Start Now」をクリックします

NEUTRINOのダウンロード先(Googleドライブ)に移動するので、「NEUTRINO-Windows-vx.x.x.zip(※Macの方は「NEUTRINO-mac-vx.x.x.zip」)」というファイルを右クリックし、「ダウンロード」を選択します

『ファイルのウイルス スキャンを実行できません』とのメッセージが表示されたら、「エラーを無視してダウンロード」をクリックします。zipファイルのダウンロードが開始されます

ダウンロードしたzipファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択します

「展開」をクリックします。「NEUTRINO」を置く場所を指定する場合は「参照」から任意の階層を指定しましょう(なるべく分かりやすい場所がいいです)

「NEUTRINO」のダウンロードが完了しました

「NEUTRINO-Windows-vx.x.x」フォルダ内にある「NEUTRINO」というフォルダが本体となります

②歌声ライブラリのダウンロード
「NEUTRINO」には初期ボーカルとして「MERROW」が入っています(2022年7月時点)
「東北きりたん(KIRITAN)」や「No.7(SEVEN)」など他のボーカルに歌ってもらいたい場合は、別途「歌声ライブラリ」をダウンロードする必要があります
先ほどのNEUTRINOのダウンロードページから「歌声ライブラリ(Singer Library)」をダブルクリックします

追加したいシンガーのzipファイルを右クリックし、「ダウンロード」を選択します。今回は例として「東北きりたん」の歌声ライブラリを選びました

『ファイルのウイルス スキャンを実行できません』とのメッセージが表示されたら、「エラーを無視してダウンロード」をクリックします。zipファイルのダウンロードが開始されます

ダウンロードしたzipファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択します

「展開」をクリックします

歌声ライブラリのダウンロードが完了したら、ファイルをダブルクリックして開きます

続いて「"Singer名"(NEUTRINO-Library)」をダブルクリックします

シンガー名が書かれたフォルダを「NEUTRINO-Windows-vx.x.x」→「NEUTRINO」→「model」にドラッグ&ドロップします

念のため「NEUTRINO-Windows-vx.x.x」→「NEUTRINO」→「model」に追加したいシンガー名のフォルダが存在しているか確認しておきましょう

③MuseScoreでのMusicXMLファイル書き出し方法
NEUTRINOの音声合成は「MusicXML」という譜面データをもとに作ります
MusicXMLファイルの生成には、フリーの楽譜制作ソフトウェア「MuseScore」の使用が公式で推奨されています
MuseScoreの基本的な操作方法やMusicXMLファイルの書き出し方法については以下の記事を参考にしてください
MusicXMLファイルを準備できたら、次のステップに進みましょう!
-
NEUTRINOを歌わせるためのMuseScoreの使い方と調声のコツ
続きを見る
NEUTRINOの調声について
MuseScoreでも調声は可能ですが、MuseScoreを作成したあとは「NEUTRINO調声支援ツール」を使って調声を行ったほうが楽です
楽譜が苦手な方や「VOCALOIDやCeVIOのようにGUIで調声したい」という方には、以下のツールがおすすめ◎
-
NEUTRINO調声支援ツールの使い方!ダウンロード方法も解説します
続きを見る
④NEUTRINOでの音声データの出力方法
タスクバーの検索窓に「メモ帳」と入力し、メモ帳を開きます

「NEUTRINO」フォルダにある「Run.bat」ファイルをメモ帳にドラッグ&ドロップして開きます

Run.batファイルの変更箇所は主に以下の2つです
1.「set ModelDir=xxx」のxxxの部分を使用したいシンガー名にする

それぞれのシンガー名は以下の通りです(使用したいシンガーの音声ライブラリが「NEUTRINO」→「model」に存在していることを確認しましょう)
- 東北きりたん→KIRITAN
- 東北イタコ→ITAKO
- 東北ずん子→ZUNKO
- 謡子→YOKO
- JSUT→JSUT
- めろう→MERROW
- No.7→SEVEN
- ナクモ→NAKUMO
- ずんだもん→ZUNDAMON
2.「set BASENAME=xxx」のxxxの部分を出力したい「MusicXML」ファイル名にする

PitchShiftとFormantShiftについて

ちなみに「set PitchShift」と「set FormantShift」を編集すると、以下の調整が可能です
- PitchShift:キーの高さ
- FormantShift:声質の変更
上げると子供っぽく、下げると大人っぽくなる(0.85-1.15あたりが推奨)
Key | -6 | -5 | -4 | -3 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
PitchShift | 0.707 | 0.749 | 0.794 | 0.841 | 0.891 | 0.944 | 1.000 | 1.059 | 1.122 | 1.189 | 1.260 | 1.335 | 1.414 |
Run.batファイルの変更が完了したら、上部メニュー「ファイル」から「上書き保存」をクリックして内容を保存します

次に、Run.batファイルをダブルクリックして起動します

「WindowsによってPCが保護されました」とメッセージが表示されたら「詳細情報」をクリックします

「実行」をクリックすると、Run.batによる音声データ出力が開始されます

以下のような黒い画面が開きますので、作業完了までしばらく待機しましょう

出力された音声データは「NEUTRINO」→「output」に保存されています

2つのWAVファイルが出力されていると思いますが、それぞれのWAVファイル「xxx_nsf.wav」と「xxx_syn.wav」の違いについては記事冒頭で解説しています

出力が遅い場合は、NSFの合成処理をオフにすることも検討しましょう
- Windows版:Run.batのNSFの行をコメントアウト(”:”を先頭に付ける)
- macOS版:Run.shのNSFの行をコメントアウト(”#”を先頭に付ける)
- オンライン版:Run.shのNSFの行をコメントアウト(”#”を先頭に付ける)
以上が通常版NEUTRINOで音声データを生成するまでの全手順です
何かわからないことや不明点があったら、おゆひよこのTwitterから質問してください。できる範囲でお答えします!
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