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ゲインマッチとは?音楽制作における重要性をわかりやすく解説

ゲインマッチとは?音楽制作における重要性をわかりやすく解説

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こんにちは、おゆひよこ(@oyu_sound)です!

今回は、音楽制作のプロセスでとっても重要な役割を果たす「ゲインマッチ」について詳しく解説していきます

ゲインマッチを理解して適切に活用することで、DTMスキルが大幅に向上する可能性がぐーんと上がること間違いなし◎

記事の後半では、楽曲のクオリティを向上させるための必須ツールとも言える「ゲインマッチに最適なおすすめプラグイン」も紹介しています

ぜひ最後まで読んで、音楽制作の技術を一歩前進させてみてください!

用語解説

まずはじめに「用語解説」をカンタンにまとめておきます。言葉の定義をしっかりしておかないと、記事を読んで余計に混乱しちゃう可能性があるので・・・

おゆひよこ
おゆひよこ

テストには出ないから、なんとなく読んで「へー」と思っておけばOK(飛ばしてもいいです)

  • 音圧:音の物理的な強さを表す指標。音波が空気中を伝播する際の圧力変化を表す。通常はデシベル(dB)で表されます
  • デシベル (dB):音圧を表すための単位。音の強さを対数的に表現するため、人間の感じる音の大きさ(音量)と比較的一致します
  • 音量 / ボリューム:これらの用語は同じ意味で、音の大きさを人間が感じる主観的な大きさを指します。音圧の大きさだけでなく、音の質や周囲の環境などによっても影響を受けます
  • ラウドネス:音の大きさを人間が感じる主観的な大きさを表すために使用される用語。音圧レベルだけでなく、音の周波数や持続時間なども考慮に入れます

ゲインマッチとは?音楽制作における音質とバランスの維持

カンタンにいうと、ゲインマッチは「エフェクトプラグインを使用したときのボリュームレベルの変化を自動で補正する処理のこと」です

これは音質とバランスを維持するためにめちゃくちゃ重要で、音楽制作のミキシングやマスタリングの過程において欠かせない要素となります

この処理を行うことで、音量の変化による"聴覚的な錯覚"を避け、音質の変化にフォーカスすることが可能になります

つまり、ゲインマッチの活用は、音質の向上をはかるだけでなく、より良い音楽制作を実現するための重要な手段になるってコト!

「ん?どゆこと?」と思った人も安心してください。次からもうちょっと詳しく解説していきます

音量の変化による"聴覚的な錯覚"とは?

人間の耳と音量の関係

まず「人間の耳と音量の関係」について考えてみましょう

人間の可聴領域は一般的に20Hzから20kHzとされていますが、これは平均的な範囲であり、個々の人間の聴覚は年齢、健康状態、個々の遺伝的要素などによって異なります

おゆひよこ
おゆひよこ

特に高音域は年齢とともに聴き取りにくくなっていくよ

また、人間の耳は「特定の周波数帯域をより感じやすい特性」があります

感度がもっとも高く、聞きやすいのは、周波数の2kHzから4kHzあたり。一方で、低音帯域は人間の耳では聞き取りにくい帯域となります

人は、音量レベルが大きいほど"良い音"と判断してしまう?

ここで注意したいのは、「音量が大きくなると、人間の耳は"低音と高音をより強く感じる"傾向がある」ってこと!

これは、音量レベルが大きいほど"良い音"と判断してしまう、いわゆる「等ラウドネス曲線(Equal-Loudness Contour)」と「フレッチャー・マンソンの法則(Fletcher-Munson curves)」に基づいています

等ラウドネス曲線(Equal-Loudness Contour)
Wikipedia - 等ラウドネス曲線

上の画像は「人間の耳が中高音域を強く感じ、低音と高音を比較的弱く感じる」ということを曲線で示した図です(横軸が周波数、縦軸が音圧レベル)

おゆひよこ
おゆひよこ

ちょっとだけ解説します!(飛ばしてもいいです)

図中央付近の"40 phon"の曲線では「1,000Hzの音が40dB SPLで出力されると、ほかの周波数の音がどのレベルで出力されたときに同じくらい大きく聞こえるか?」が示されています

つまり、

  • 低周波(たとえば100Hz)の音が同じくらい大きく聞こえるためには、約55dB SPLの音圧レベルが必要
  • 高周波(たとえば8,000Hz)の音が同じくらい大きく聞こえるためには、約45dB SPLの音圧レベルが必要

ということ。これを示す単位が"phon"です。ある音が"60 phon"だとしたら、それは1,000Hzの音が60デシベルで鳴っているのと同じくらい大きく聞こえる、という意味になります

上記のことから、人間は「音量を小さくすると低音が聞こえにくくなり、音圧レベルを上げなければ低音を聞き取りやすくすることが難しい」という聴覚特性を持っているといえます

しかし、全体的な音量レベルが上がるにつれて、人間の耳は低音と高音をより強く感じるようになり、結果として"音質が向上した!"と錯覚してしまう・・・

そのため、音楽制作においては「ゲインマッチを適切に活用し、音量の変化による聴覚的な錯覚を避けつつ、真の音質改善に集中する」ことが大切なのです!

音量の変化が人間の聴覚に及ぼす心理的影響とは?

また、人間は、感覚刺激の変化、特に音の大きさの変化に対してとても敏感です

音が大きくなると、人間の脳はそれを「新鮮な刺激」として認識し、好意的に解釈します

(たとえば、音楽や映画のサウンドデザインでは、クライマックスや重要なポイントで音量を上げることで、視聴者がその瞬間をより感動的に感じるようにしてたりします)

しかし、これまでにも話してきた通り、音楽制作(主にミキシングとマスタリング)においては「音量の上昇」が必ずしも「音質の向上」を意味するとは限りません

音量の上昇と音質の関係?スピーカーやヘッドフォンの性能を超える歪み

さらに、音量が上昇すると、スピーカーやヘッドフォンの性能を超えて音が歪む可能性があります

これは主に古いアナログ音響機器やギターアンプなどで顕著に見られ、これらの機器は高音量になると、いわゆる「ウォーム」で「豊か」と呼ばれる音を生成します

この歪みを一部のリスナーは"音質の向上"と感じることがありますが、あくまで一般的な傾向であり、個々の感覚や好み、使用する音響機器によって異なる場合があります

ここまでのまとめ

長くなっちゃったので、ここで一度「ここまでのまとめ」として内容をおさらいします!

  1. ゲインマッチを活用すると「音量の変化による"聴覚的な錯覚"を避け、本当の意味での"音質改善"に集中」できる
  2. 人間の耳は、音量が大きくなると低音と高音をより強く感じる傾向がある(フレッチャー・マンソンの法則)
  3. 音量の上昇は必ずしも音質の向上を意味しない(スピーカーやヘッドフォンの"歪み"を音質の向上と感じる場合もある)
  4. ゲインマッチを適切に活用し、音量の変化による聴覚的な錯覚を避けつつ、真の音質改善に集中することが重要

ゲインマッチの活用方法は?ミキシングやマスタリングでの具体的な手法

ゲインマッチの活用方法は、ズバリ「エフェクトを適用する前後で音量を一致させる」こと、コレに尽きます

つまり、プラグインを挿して『良い音になったぞ!』と感じる要因が、単なる"音量が上がっただけによるもの"なのか、それとも"ホントの意味でプラグインが音質を向上させているもの"なのかを切り分けてくれるんですね

極端な話、プラグインを挿す前と後で音量を揃えない限り、エフェクトが音質にどのような影響を与えているのかを正確に評価することはムリってことです!

エフェクト適用時のゲインマッチ!マキシマイザー・コンプレッサー・イコライザーへの影響

ゲインマッチは、特にマキシマイザーやコンプレッサー、イコライザーなどのエフェクトを適用する際に有効です

上記のエフェクトは音量を変化させる可能性があるため、音質が改善されたのか、単に音量が上がったから良く聞こえるのかを判断するのが難しくなりがち・・・

ゲインマッチを使用すれば、エフェクトの適用前と適用後の音量を一致させることができるので、エフェクトが音質にどのような影響を与えているのかを正確に評価することが可能になります!

おすすめプラグインは「GainMatch」一択

ゲインマッチ機能は、プラグインによって内蔵されている場合があります。たとえば、iZotope『Ozone』とか、Plugin That Knock『KNOCK』とか・・・

ただ、どのプラグイン・エフェクトにも対応できるように、ゲインマッチに特化したプラグインを持っておいたほうがいいです

オススメは断然、LetiMix『GainMatch』ですね。もうホント、DTMをはじめたばかりの自分に今すぐ伝えたい。どんなプラグインよりも先にコレ買っとけ、と。

おゆひよこ
おゆひよこ

ガチで「全DAWに今すぐ標準装備すべき!」というぐらい必須ツールだと思ってる

定価19ドルと手を出しやすい価格設定(セールだともっと安い)ですし、挿すだけで音量レベルを自動的に調節してくれるので使い方もカンタン◎

そのほかにも「トラックの左右のバランスを整える」や「望んだラウドネスレベルにトラックを設定する」といったお役立ち機能も満載です

特に、エフェクトで変化した音だけを聴くことができる「デルタモード」が最強!!!!

『ツマミがたくさんありすぎてよく分からないや~』と敬遠していたプラグインも、GainMtachを使うと「どこをどう動かしたら音がどんな変化をするのか」がハッキリします

つまり「プラグインの理解がめちゃくちゃ深まる→音を必要以上に汚さなくなる→楽曲全体の音のバランスが取りやすくなる→優勝」ってことですね

音量の変化による聴覚的な錯覚を避け、音質の変化に集中するためにも、一刻も早い"GainMatchの導入"をオススメします

GainMatchの詳しい購入方法は『超必須級プラグイン「GainMatch」の購入&インストール方法』という記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください◎

超必須級プラグイン「GainMatch」の購入&インストール方法をわかりやすく解説

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  • この記事を書いた人

おゆひよこ

楽曲制作を始めたばかりのDTM初心者に向けて、作曲方法や音楽機材、プラグインの情報などを発信しています|実績・プロフィール

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