こんにちは、おゆひよこ(@oyu_sound)です!
この記事では、NEUTRINOをオンラインで動かして「東北きりたん」などのシンガーを歌わせる方法を解説しています
※Windowsの画面での説明となりますが、Macの場合でも基本的な流れは変わりません
通常版NEUTRINOのダウンロード方法と使い方を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。通常版とオンライン版との違いについても解説しています
※閲覧時期によっては、記事の内容が最新ではない可能性があります。ご了承ください
NEUTRINOのダウンロード方法と使い方【AIきりたん&ずんだもん】
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①NEUTRINOのダウンロード
NEUTRINOの公式サイトにアクセスし、「DOWNLOAD」もしくは「Start Now」をクリックします
「NEUTRINO Diffusion ダウンロード」というタイトルのページに移動するので、下にスクロールして「NEUTRINO Diffusion ダウンロード(Google Drive)」という箇所をクリックします
NEUTRINOのダウンロード先(Googleドライブ)に移動するので、最新版の「NEUTRINO-Diffusion - Muon vx.x」をダブルクリックします
「NEUTRINO-online-vx.x..xzip」というファイルを右クリックし、「ダウンロード」を選択します
『ファイルのウイルス スキャンを実行できません』とのメッセージが表示されたら、「エラーを無視してダウンロード」をクリックします。zipファイルのダウンロードが開始されます
ダウンロードしたzipファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択します
「展開」をクリックします
「NEUTRINO」のダウンロードが完了しました
②GoogleドライブにNEUTRINOを配置する
ダウンロードしたオンライン版NEUTRINOは「Googleドライブ」に配置する必要があります
Googleドライブの公式サイトにアクセスし、「ドライブを開く」をクリックします
まだGoogleアカウントをお持ちでない方は、「登録する(料金不要)」からアカウントの作成を行いましょう
Googleドライブの操作方法が表示されますので、「次へ」をクリックして進めていきます
次にGoogleドライブ内に新しいフォルダを作成します。画面中央付近(マイドライブ直下)で右クリックし、「新しいフォルダ」を選択します
「Colab Notebooks」と入力し、「作成」ボタンをクリックします
先ほどダウンロードした「NEUTRINO-online-vx.x.x」フォルダ内にある「NEUTRINO」フォルダを、Googleドライブの「Colab Notebooks」フォルダにドラッグ&ドロップします
以上でオンライン版NEUTRINOの配置は完了です
③歌声ライブラリのダウンロード
「NEUTRINO」には初期ボーカル(歌声ライブラリ)として「MERROW」と「NAKUMO」が入っています(2024年10月時点)
「東北きりたん(KIRITAN)」や「No.7(SEVEN)」など他のボーカルに歌ってもらいたい場合は、別途「歌声ライブラリ」をダウンロードする必要があります
先ほどのNEUTRINOのダウンロードページから「NEUTRINO-Diffusion - Muon vx.x」をダブルクリックし、追加したいシンガー名を右クリック→「ダウンロード」を選択します
今回は例として「No.7(SEVEN)」の歌声ライブラリをダウンロードしていきます
『ファイルのウイルス スキャンを実行できません』とのメッセージが表示されたら、「エラーを無視してダウンロード」をクリックします。zipファイルのダウンロードが開始されます
ダウンロードしたzipファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択します
「展開」をクリックします
展開されたファイルをダブルクリックして開き、シンガー名が書かれたフォルダを「NEUTRINO-windows-vx.x.x」→「NEUTRINO」→「model」にドラッグ&ドロップします
④Google Colaboratoryのインストール
マイドライブ→Colab Notebooks→NEUTRINOにある「NEUTRINO.ipynb」を右クリック→「アプリで開く」にマウスカーソルを合わせ、「アプリを追加」をクリックします
検索窓に「Colaboratory」と入力し、表示されたアプリをクリックします
「インストール」をクリックします
「続行」をクリックします
Googleアカウントを選択します
インストールが完了したら「OK」をクリック
ウインドウは「閉じる」ボタンで閉じてしまいましょう
⑤MuseScoreでのMusicXMLファイル書き出し方法
NEUTRINOの音声合成は「MusicXML」という譜面データをもとに作ります
MusicXMLファイルの生成には、フリーの楽譜制作ソフトウェア「MuseScore」の使用が公式で推奨されています
MuseScoreの基本的な操作方法やMusicXMLファイルの書き出し方法については以下の記事を参考にしてください
NEUTRINOを歌わせるためのMuseScoreの使い方と調声のコツ
続きを見る
作成したMusicXMLファイルは、マイドライブ→Colab Notebooks→NEUTRINO→scoreにある「musicxml」フォルダに保存しておきます
このとき、MusicXMLファイル名が"英数字のみ"になっているかも確認しておきましょう
MusicXMLファイルを準備できたら、次のステップに進みましょう!
NEUTRINOの調声について(追記あり)
MuseScoreでも調声は可能ですが、MuseScoreを作成したあとは「NEUTRINO調声支援ツール」を使って調声を行ったほうが楽です
楽譜が苦手な方や「VOCALOIDやCeVIOのようにGUIで調声したい」という方には、以下のツールがおすすめ◎
追記(2024.10.10):2023年9月以降ツールは更新されていない
最終更新が2023年9月のため、使用の際にはご注意ください
NEUTRINO調声支援ツールの使い方!ダウンロード方法も解説します
続きを見る
⑥NEUTRINOでの音声データの出力方法
いよいよ音声データの出力作業に入ります
マイドライブ→Colab Notebooks→NEUTRINOにある「NEUTRINO.ipynb」を右クリックします
続いて「アプリで開く」にカーソルを合わせ、「Google Colaboratory」を選択しましょう
最初に一点だけ確認を行います。上部メニュー「ランタイム」→「ランタイムのタイプを変更」をクリックします
以下の設定になっているか確認しておきます
「1.次のコマンドを実行して…」の項目の「# mount google drive」の横にある▶マークをクリックします
「Googleドライブに接続」をクリックします
Googleアカウントを選択します
「許可」をクリックします
▶マーク横にチェックマークがついたら次のステップに移りましょう
同様の手順で「2.NEUTRINOを配置したフォルダに…」と「3.ファイルを実行できるように実行権限を…」の項目の▶マークもクリックし、チェックマークをつけていきます
「4.楽譜(musicxml)から音声を合成します。」の項目では、▶マークをクリックする前に以下の2箇所を修正する必要があります
- BASENAME=xxx
用意したMusicXMLファイル名を入力する(スペースが入るとエラーが出てしまうので気をつけましょう) - ModelDir=xxx
歌わせたいシンガー名を入力する
それぞれのシンガー名は以下の通りです(使用したいシンガーの音声ライブラリが「NEUTRINO」→「model」に存在していることを確認しましょう)
- 東北きりたん→KIRITAN
- 東北イタコ→ITAKO
- 東北ずん子→ZUNKO
- 謡子→YOKO
- JSUT→JSUT
- めろう→MERROW
- No.7→SEVEN
- ナクモ→NAKUMO
- ずんだもん→ZUNDAMON
- 四国めたん→METAN
- 大江戸ちゃんこ→CHANKO
※制作した音声ファイルについては、各歌声ライブラリの利用規約の範囲でご利用ください
※詳細は model フォルダ以下の各歌声ライブラリ付属の license ファイルをご覧ください
PitchShiftやFormantShiftについて
追記
2024年10月現在、オンライン版NETRINOではNSFでの合成が主体となり、WORLDはサブ的な立ち位置となりました
よって、以下の画像の「# WORLD」以下のパラメータは記述がない場合でも、まったく問題ありません
それぞれのパタメータを編集すると、以下の調整が可能です。難しく感じる場合は、特に変更しなくても大丈夫
- PitchShiftWorld
ピッチを変更します
単位は半音単位となっており、"1.0"に設定すると 1 個上のキーの高さ、"-1.0"に設定すると 1 個下のキーの高さになります
上手く使うことで、推奨音域外の音を歌わせることが可能です - FormantShift
声質を変更します
上げると子供のような幼い声、下げると大人のような声になります - SmoothPitch
ピッチを滑らかにします
0~100[%]の間で強さを設定できます - SmoothFormant
フォルマントを滑らかにします
0~100[%]の間で強さを設定できます - EnhanceBreathiness
息成分の強さを設定します
0~100[%]の間で強さを設定できます
「END」と表示されれば完了です!
エラーが出てしまう場合
なぜか音声が生成されない
MusicXMLファイルの作成の際、歌詞が未入力の音符があるとエラーが出ます。もう一度、確認してみましょう
エラー:fullラベルファイルが見つかりません
「set BASENAME=xxx」のxxxの部分にスペース(空白)が入っていると『エラー:fullラベルファイルが見つかりません』と表示されてしまうことがあります
もう一度、入力したファイル名が正しいか確認してみましょう。また、ファイル名が英数字のみになっているかもチェック!
出力データの場所について
出力された音声データは、マイドライブ→Colab Notebooks→NEUTRINO→「output」フォルダに保存されています
2つの歌声合成システム「NSF」と「WORLD」の違い
2024年1月現在、NEUTRINOによる音声合成を行うと、
- 〇〇.wav
- 〇〇_world.wav
という2つのWAVファイルが出力されるようになっています(2024年10月時点では、WORLDが廃止され、NSFでの出力のみ)
- 〇〇.wav(NSF)・・・低音の詰まった感じがなく、クリアでアタック感がある。適正音域であれば、音質的な外れがほとんどなく、品質も安定して高い
- 〇〇_world.wav(WORLD)・・・ピッチシフト・フォルマントシフトなどの加工に強く、適正音域から大きく外れた音声にも強い
「よくわからないよ!」という方も安心してください
どっちにしてもデフォルトでは2つの音声ファイルが出力されるようになっているので、両方を聴き比べてみてどちらが自身の楽曲に合うか判断すれば大丈夫です◎
WAVファイルをダウンロードする場合は、任意のファイル名を右クリックし、「ダウンロード」をクリックします
「NSFだけ出力できればいい」という場合は、「4.楽譜(musicxml)から音声を合成…」を飛ばして「Ex-1.こちらはNSFのみを実行するサンプルです…」を実行するようにしましょう
以上がオンライン版NEUTRINOで音声データを生成するまでの全手順です
動作環境
※記載内容は2024年10月時点のものです
推奨動作環境
OS | Windows 10 / 11 MacOS (Apple Silicon / Intel) オンライン (Google Colab) Linux (Ubuntu) |
CPU | IIntel Core i5 AMD RYZEN 5 Apple M1 |
GPU(オプション) | NVIDIA製のGPU(4GB以上のGPUメモリを推奨) |
メモリ | 8GB 以上 |
ストレージ | 10GB 以上の空き容量 |
GPUについて
Windows版の一部機能(GPUによる高速レンダリング)をご利用いただくには【NVIDIA製のGPU(6GB以上のGPUメモリを推奨)】が必要です
ご利用の前にNVIDIAのドライバーを最新のものへアップデートをしてください
※参考:アップデート方法
https://volx.jp/geforce-driver-update
どうしても上手くいかない場合
「どうしても上手くいかない」「エラーが出ちゃう」という場合は、お問い合わせフォームからヘルプください。可能な限り、ご対応します
詳細はできるだけ細かく伝えてもらったほうが問題が解決しやすくなります。長文でもかまいません。画像はギガファイル便などのファイル転送サービスで送ってもらえるとうれしいです
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