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音楽クリエイターのメンタルケア!病みやすい9つの理由と対策法

音楽クリエイターのメンタルケア!病みやすい9つの理由と対策法
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こんにちは、フリーBGM作曲家兼ボカロPのおゆひよこ(@oyu_sound)です!

クリエイターの生活は、しばしばストレスとプレッシャーによって影響を受けます。今回は音楽制作者の視点から「クリエイターが病みやすい理由とメンタルケア対策」について解説します!

人によっても病みやすいポイント、効果的な対策法はちがうと思うので、なにかひとつでも参考になればうれしいです

注意

この記事の内容は、あくまで「クリエイターのメンタルケア」です。決して『クリエイターはこうあるべき!』という趣旨の話ではありませんので、その点はご理解をお願いします

クリエイターが病みやすい9つの理由

クリエイターが病みやすい主な原因は、以下の9つと考えられます

  1. 創作のプレッシャー
    新しいコンテンツを生み出すプレッシャー。クリエイティブでいなきゃ、インスピレーションを求めなきゃ、という気持ち
  2. 収入の不安定性
    創作活動をするにもお金がかかるので、生活費や将来の不安を増大させる可能性がある
  3. 評価への恐怖
    作品やクリエイター自身は、いろんな方面からの評価や反応に直面します。特にネガティブな評価は恐怖感につながる
  4. 孤独
    創作はしばしば一人で行われる作業のため、孤独感を引き起こす場合がある
  5. 健康問題
    長時間の作業、不規則な睡眠、適切な運動不足などがクリエイターの健康を損なう可能性も
  6. マーケティングのプレッシャー
    自身の作品を宣伝・販売する必要性へのプレッシャー。今だと特にTwitter(X)などのSNSの運用でストレス抱えてる人が多そう
  7. 自己表現とマーケティングのバランス
    自分自身を表現したいという気持ちがある一方、作品がより多くの人に受け入れられるようにするためには一定の妥協が必要になる場合がある
    この2つのバランスを取ることはとてもムズかしく、ストレスの原因になったりします
  8. 創作アイデアが出てこない
    新しいアイデアやインスピレーションが得られないことは大きなフラストレーションになる
  9. 適切な仕事とプライベートのバランス
    創作は、時間とエネルギーを大量に消費するため、プライベートやリラックスの時間に侵食してくる可能性も。ゆえに生活バランスが崩れやすい

これらはクリエイターが直面する、ごく一般的で自然な問題です

上記のようなことが原因でストレスやフラストレーションが溜まりすぎると、燃え尽き症候群を引き起こしたり、クリエイティブのアウトプットに悪影響が出たりします

おゆひよこ
おゆひよこ

特に『ボカコレ』のような大きなイベントのあとは注意が必要です!

それぞれの悩みのメンタルケア対策を4つ提案

ここからは「特に悩んでいる人が多いであろう項目」に注目して、ぞれぞれのメンタルケアを紹介していきたいと思います!

①創作のプレッシャー

創作活動は、ときにストレスマネジメントやリラクゼーションテクニックが必要になるほどの強いプレッシャーを感じることがあります

「もっとイイものを作らなくちゃ・・・」「そろそろ次の作品を作らなくちゃ・・・」

創作意欲が高いことは、むしろクリエイターとして"良いこと"なのかもしれません

ただし、ストレスを感じたら適度にリラックス方法を取り入れて、自分自身のメンタルケアに注力したほうが賢明です

  • ぬるめのお風呂に浸かる
  • 音楽を聴く
  • 軽い読書を楽しむ
  • 香りを楽しむ
  • ストレッチをする
  • ゆっくり深呼吸をする

上記のように創作から完全に離れてみるのもひとつの手ですし、あえて創作活動と近い領域にフォーカスするのもいいかもしれません◎

過去の自分の作品から改善点を洗い出してみたり、YouTubeなどのアナリティクスから人気曲の傾向を見つけてみたり・・・

そのときの体調やメンタルの状態などによっても「自分にあった方法」は変わってくると思うので、選択肢をいくつか持っておくことをオススメします!

おゆひよこ
おゆひよこ

僕はよくアニメを観て現実逃避してます()

②評価(数字)への恐怖

YouTube、ニコニコ、TwitterなどのSNSでは、その仕組み上「作品の評価=数字によって決まるもの」という認識が強まる傾向にあります

でも、ひとつ言えることは「数字の大小で作品の価値は決まらない」ってこと!

たしかに『数字は小さいよりかは大きいほうがうれしい!』という人が大多数だと思います

ただ、周りからの評価があろうとなかろうと、あなたの作品とあなた自身の価値は変わりはしません。絶対にだ!

これはなにも「作品を聴かれる努力をしなくてもいい」という類の話ではなく、あくまで「数字こわい・・・」となってしまったときの対策法です

より多くの人に作品を聴いてもらいたい!と思うならそれ相応の手段は取るべきで、そのためには数字と向き合うことも大切なプロセス。

それでも数字と向き合うことが怖くなってしまったら「元気が出るそのときまで逃げちゃえ!」というのが僕の持論です

おゆひよこ
おゆひよこ

データ分析とかはちゃんと寝たあとのほうが冷静にできます

どうしても数字を気にしちゃうときは◯◯を考えよう

「どうしても数字がこわい!」「あの人より数字が低いことが許せない!」

数字にはそれは恐ろしい魔力が秘められてるので、どうしたって数字が原因で嫉妬したり、凹んだり、心が荒んだりします

そういうときは「数字がだれの得になってるか?」を考えてみると落ち着くことがあります

一般的に、Webサービスが数字を取り入れてユーザー同士の競争をうながす理由は、運営企業や団体に"なんらかのメリット"があるからだと考えられます

数字があるから競争が生まれ、競争があるから、みんなはより良いもの、おもしろいものを作ろうとする。結果、サービス全体が盛り上がる!

もちろん、そのことによって妬みや僻みなどのダークサイドも刺激されます。でも、これらは十中八九、策略の一部・・・というよりは「副作用」みたいなものかな?

企業は悪者じゃなくて、あくまで"みんなの生活をより良いものにするため"に便利・おもしろいサービスを作っています

ただ、その便利さや数字に依存しちゃうと、途端に心が苦しくなったり、現状に満足できなくなってしまうんですね

実際、SNSの開発に携わるIT企業のお偉方ほど、自分たちの子どもにはiPhoneなどのデバイスの利用制限を厳しくしているという統計もあります

たとえば、スティーブジョブズは過去のインタビューで「家では子どもたちがデジタル機器を使う時間を厳しく制限しているよ」という趣旨の回答をしてますし、ビルゲイツも「子どもが14歳になるまでスマホは持たせたかった」と話してます

それほど人の心に悪影響を及ぼすものなのですね、ネットと数字は!

おゆひよこ
おゆひよこ

数字が原因で「自分いま楽しめてないな~」と思ったときはすぐに震源地から離れよう!

創作の目的は人それぞれ

あと、忘れちゃいけないのが「創作の目的は人によってちがうよ」ってこと。

数字を伸ばすことを目的にしてる人もいれば、自分を表現する方法として創作活動をしてる人もいます

自分がどんな目的で活動していても、他人の活動を否定したり、創作物にケチをつけたりすることは絶対に避けましょう!

メンタルが病んでいると余計な言葉がつい"コンニチワ!"してしまうのが人類ですので、心が不安定なときはできるだけSNSの利用を避け、とにかく休むことをオススメします

③マーケティングのプレッシャー(特にSNSの運用)

いまの時代「自分の作品を広めるためには、インターネットを活用したマーケティング戦略が必要不可欠」といっても過言じゃありません

ただし、マーケティングと自身の創作活動のバランスが崩れてしまうと、自己嫌悪に陥ったり、目的を見失ってメンタルに悪影響が出てしまう可能性があります

具体的にいうと「SNS上の数字稼ぎが目的になってしまって、肝心の創作活動に支障が出てしまってるケース」とかですね・・・

特にTwitterは、自身の作品や発言がすぐに流れてしまう"フロー型"のソーシャルメディアなので、どっちかというとポートフォリオ的な使い方には不向きです

『SNSなんて好きに使えばいいじゃん』が僕の正直な考えなのですが、目的と手段がごっちゃになってしまうと高確率で精神が汚染されちゃうので注意しましょう!

宣伝の場はTwitterだけじゃなくて、ほかにもいろいろあります。noteやブログを書いてもいいし、YouTubeガチってもいいし、InstagramやTikTokを攻めたっていいです

人によって得意なこと、苦手なことがあるので、無理して「ああっ!マーケティングのためにTwitterがんばらなくちゃ!」とか思わなくていいってこと◎

おゆひよこ
おゆひよこ

もはや「SNSほとんど毒」説あるので、メンタルが崩れがちなクリエイターさんは特に気をつけよう~

④創作アイデアの枯渇とモチベーションの低下

クリエイターも人間なので、当然、日によって調子に波があります

創作アイデアがまったく思い浮かばないときもあれば、1ミリもモチベーションが湧き上がってこないときもあるかもしれません

それはクリエイティブな活動する人たちが経験するごく通常のプロセスの一部です

対処法としては①で話したリラックス方法のほかに、

  1. 自然の中でゆったり休息をとる
  2. 他分野のクリエイティブ活動にチャレンジしてみる
  3. 新しい視点やインスピレーションを求めて新しい場所に移動する
  4. プロ(カウンセラーやコーチ、講師など)にアドバイスを求めてみる

といった手もあります

あと、よく言われるのが「アイデアと天井の高さの関係性」ですね!

環境心理学の一部の研究では「物理的な空間が人々の精神的な空間(頭の中の空間)に影響を及ぼす」という可能性が指摘されてます

つまり、

  • 抽象的な思考や創造的なアイデアを刺激するなら「広い空間」や「天井の高い部屋(屋外も含む)」
  • 収束的な思考や詳細に焦点を当てる思考を促すなら「天井の低い部屋」

ってこと。おもしろいですよね!

モチベーション維持のコツは「習慣化」にアリ?

僕、良くも悪くも自分の「やる気」を信じてないタイプの人なので、できるだけ「モチベーションがなくても創作できる習慣」を作れるように工夫してます!

具体的には、

  • 朝イチバンに最低「8小節」は好きな曲を耳コピする
  • パソコンの電源を入れるとDAW(音楽制作ソフト)が自動で起動するように設定
  • 週に2-3回Twitterで開催されている #深夜の2時間DTM にできるだけ参加して曲作りを習慣化

などなど・・・

ムリして創作をする必要はまったくないですが、

  • 創作活動が思うようにできていないと自己嫌悪になる
  • なにか大きな目標や目的があって創作活動をしている

といった場合は、もう歯磨きと同じぐらいのレベルになるまで習慣化しちゃったほうがイイ気がします

日によって体調もちがえば、天気も、気圧も、湿度も、温度もちがうので、なるべくそういった要因が絡まないよう「ルーティン」に組み込んじゃいましょう

人気イラストレーターのよー清水さんもおっしゃってますが、うまい人も心折れるし、天才も急にいなくなったりします。続けるって本当にすごいことです

でも、"続ける努力"っていうと、毎日『ウォォ! きょうもがんばるのぜェ~!』って気合い入れて生きなくちゃいけない感が出てなんとなくイヤ!

なので僕は、「続ける努力」よりも「努力をしないでも続けられる工夫づくり」に重きを置くようにしてるってワケ

自分自身の価値を理解&認識するための3ステップ

最後に、他人の評価やSNSなどに蔓延する「数字の毒」に影響されることなく、自分自身の価値を理解し、認識するための3つのステップを紹介します

1.自分を分析!

「自分がどうして他の人の評価を気にしてしまうのか?」を自分なりに考えてみるとなにかヒントが得られるかもしれません

自信がないからか、自分がなにをすべきかわからないからか、もしくは自分の進むべき方向性が定まっていないからなのか・・・

焦りや不安、嫉妬といった感情はいわば"コンパス"です。上手に使えば「自分の行きたい方向性」が見えてくるはず!

2.自分を褒める!

自分ががんばって、達成したことを自分自身で評価することが大切です

他人がどう評価するより、自分自身がどれだけ努力したか、自分がそれに対してどれぐらい満足しているかが大事!

特に、寝る前に考えたことは記憶に定着しやすいので、ネガティブな反省よりかは、ポジティブなことを思い出したほうがイイです

『きょうも曲作り楽しかったなあ!』『きょうは◯◯の使い方を覚えた!またひとつ進んだぞ!』とかね

"飽き"とか"病み"って、たいてい自分自身の成長を感じられてないときに起きるものなので、どんなに小さな成長でも"とにかく目を向ける"ことが大切だと思うのです

極端な話、実際に成長してるかどうかはあんまり重要じゃなくて、大切なのは「じぶんの成長に意識を向けられているかどうか」ってこと。自分自身の成長をはかるのに、人がどうとか関係ない!

僕は毎朝『ポケモンスリープ』を起動してポケモンの寝顔図鑑が埋まるたびに 成長 を感じてます。快眠スキルも立派な成長です!!!!

3.自分を責めない!

なにより、自分を過度に責めることは避けて、自分の成功を認めて褒めることが重要なポイントです

控えめにいっても、TwitterやYouTubeなど、ネット上には「野生の神クリエイター」がうじゃうじゃ生息してます

そのたびに他人と自分とを比較して『メッ!私はなんてダメなのっ!もう、メッ!!』と自らメンタルをぽかぽか殴ってたらキリありません

自分のできている部分を見つけて、それを自己評価の一部として受け入れること。コレが自己肯定感を育てるコツなんじゃないかなって思います

おゆひよこ
おゆひよこ

どんなに小さくても、成功は成功。ちゃんと喜ぶことが大事です

健康問題は早めに対処を!

  • 食事:栄養バランスの取れたものを心掛けること。忙しくても食事を抜かないこと!
  • 運動:自分のライフスタイルに合わせて無理なく続けられるものを見つけると良き◎
  • 睡眠:睡眠環境を整えて、質と量を確保することが大切です!

よく「"心"と"身体"」なんていいますが、実はこの2つは一体です。心と身体はつながっています

その証拠に、生活リズムがくずれると、途端に精神的にもバランスが悪くなってネガティブな考えや感情がぐるぐる回り出したりしますよね・・・

メンタルケアの基本は、健康な日々を送ることに尽きる」。

これを実現するためには、バランスのとれた食事、十分な睡眠時間、そして定期的な運動習慣の3つが不可欠です。特に睡眠はもっとも重視するべき要素です!

睡眠が不足すると、思考力、創造力、そしてエネルギーレベルすべてが低下します。むしろ、睡眠さえ十分にとっていれば、たいていの問題には冷静に対処できるといっても過言じゃありません!

良い枕耳栓アイマスクアロマオイル、ポケモンスリープなどなど、きょうから睡眠の質をあげるためにできることはたくさんあります

あなたも最強のメンタル目指して、健康意識の高いクリエイターになってみませんか?!

おゆひよこ
おゆひよこ

僕は運動と睡眠をスマートウォッチを使って計測してるよ~。あと、ポケスリめっちゃ楽しい

まとめ

音楽クリエイターとして、自分自身のメンタルケアは極めて重要な要素です。この記事のヒントを参考に、自分に合った対策法を見つけてみてください!

また、『ボカコレでボカロPがメンタル病む理由をわかりやすく解説する』という記事も書いてます

この記事では、最大級のボカロ祭典である「ボカコレ」がどうしてボカロPの精神に悪影響を及ぼしているのかを徹底的に調査し、わかりやすくまとめています

あなたが同じような問題に直面しているなら、この記事も参考にしてみてください

そして、あなたが自分自身のメンタルケアをどのようにしているか、SNSで共有してみてください!あなたの経験が他のクリエイターの助けになるかもしれません

ボカコレでボカロPがメンタル病む5つの理由をわかりやすく解説

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  • この記事を書いた人

おゆひよこ

作曲家|フリーBGM|ブロガー|かわいい・エレクトロ・ポップな曲が作りたいDTM初心者に向けて、楽曲制作の方法や音楽機材、プラグインの情報などを発信しています|実績・プロフィール