こんにちは、おゆひよこ(@oyu_sound)です!
Sonnox『Oxford Limiter V4』は、透明度の高いスタジオ定番の高品質リミッタープラグインです
このプラグインの特徴は、ズバリ「クリアで自然な音圧感を実現できる」ところ!
音のアタック感や密度、存在感などのディティールを保ったまま、聴感上の音の大きさをキレイに上げることができます◎
今回は、プロ仕様のチート級リミッタープラグイン『Oxford Limiter』をレビューしていきます!
Oxford Limiterの特徴
DTM初心者「ボタンがいっぱいあって難しそう・・・」←プリセット選ぶだけでイイ感じになるぞ
Oxford Limiterは、自然で透明感のある高品質なリミッターを探している人にオススメのプラグインです
業界標準のトゥルーピーク規格に対応しているため、ラウドネス(耳で感じる音の大きさのこと)を上げても音質が破綻しにくく、どんな再生機器でも音がクリーンに鳴るような設計になっています
要するに「音割れを防ぎつつ、クリアなサウンドを実現し、音圧を上げることが可能」ということですね!
トゥルーピークとは?
トゥルーピークとは、音声のデジタル処理において、クリップ(音割れ)を防ぐための規格のひとつのことで、インターサンプルピークとも呼ばれます
Oxford Limiter V4は「ITU-R BS.1770-4」というスタンダードな規格に対応しています
主な機能
Oxford Limiterには多くの機能がありますが、特に注目したいのは右側にある「OUTPUT」セクションですね
正直、プリセットを選択してちょっと設定を変更するだけでもイイ感じになるので、無理してぜんぶの機能を覚える必要はありません
- ENHANCE(エンハンス)機能:
他のリミッターでは得られない、パンチのある音圧を加えることができます - RECON METER(リーコンメーター):
出力メーターが従来のピークサンプル値モードからトゥルーピークモードに切り替わります - AUTO COMP(オートコンプ):
ダイナミックレンジ(最大レベルと最小レベルの間の差)が大きく変化した場合に、自動でアウトプットレベルを調整します - PEAK HOLD(ピークホールド):
入力信号のピークレベルを一定期間保持して、瞬間的なピークを防いでくれます - DITHER(ディザリング):
24ビット・16ビットのモードと4種類の可変ノイズシェーピングが搭載されています
エンコード時の量子化誤差を最小限に抑え、ノイズの周波数特性を調整することが可能です
オススメの使い方と設定方法
ここからは実際にOxford Limiterを使って、音がどのように変化するかを見ていきます
オススメの使い方としては、大きく分けて「クリーン」と「ホット」の2通り!
先にざっくりとした手順を説明しておくと、プリセットを選んで設定をちょっと変えるだけです
それぞれのセッティング方法について詳しく解説していきますね◎
好みにもよるけど、エレクトロ系なら「ホット」が合う気がするね
コチラがOxford Limiterを設定する前のMIXです↓
プリセットの選択方法
ファクトリープリセットは、画面上部の「Default」という箇所をクリックすると表示できます
「Factroy」にカーソルを置くと、用途や音楽ジャンルに合ったプリセットがたくさん出てきます
クリーン
- プリセットから「Clean Gentle No Enhance」を選ぶ(サウンドによってアタックとリリースタイムを遅めに設定:中程度)
- インプットゲインを+6dBに上げる
- セーフモードをONにして、エンハンスフェーダーを0%に調整する
- ディザーをNONEに設定する
- ピークホールドをON、オートコンプとリーコンメーターをOFFにします
- 楽曲を再生して、ピーク値がどれぐらいマッチしているかをチェックします
- 次のいずれかの作業を行います
→アウトプットフェーダーを同じ量だけ下げます。ピークを超えていない場合は、不足分だけアウトプットゲインを上げることができます
→インプットフェーダーを同じ量だけ下げます。インプットゲインが小さくなればなるほどボリュームは小さくなります - ステップ7でインプットレベルを変更した場合は、ステップ6と7を繰り返してピークの場所を確認します
- ディザーモードを24ビット(CDの場合は16ビット)に設定、オートコンプをONにして楽曲を再生します
クリップが発生している場合は、アウトプットフェーダーを「-0.0008dB」に設定します
【音量注意】設定後のサウンドがコチラ↓
ホット
- プリセットから「Hot and Pumpy」を選ぶ(サウンドによってアタックとリリースタイムを遅めに設定:中程度)
- セーフモードをON、エンハンスフェーダーを0%に調整する
- ディザーモードを24ビット(CDの場合は16ビット)に設定します
- ピークホールドとオートコンプをONにします
- アウトプットフェーダーを「-0.0008dB」に設定します
- 楽曲を再生しながらインプットレベルやエンハンスフェーダーを調整します
エンハンスを行うと、サウンドがより大きく太くなり、インプットが大きくなるほどラウドネスが大きくなります
【音量注意】設定後のサウンドがコチラ↓
まとめ
注意深く聴かないと「クリーン」と「ホット」であんまり印象のちがいはありませんが、どちらも自然な色づけになっているのが特徴的(僕がナチュラルな設定が好きなのもある←)
手順がカンタンなのと、サウンドにわずかに生命力(?)が宿る感じがたまらないので、どちらかをオススメするとしたら「ホット」ですね!
ただ、今回ご紹介したセッティング方法はあくまでも「定番」というだけ
さらに細かくいじったり、もっとハードにかけたりすることもするので、好みに合わせていろいろ試してみてください◎
InflatorとLimiterの使い分け
よくOxford Limiterと比較されるプラグインとして、同社からリリースされている「Oxford Inflator V3」という製品があります
僕はどちらのプラグインも持っていますが、状況に応じた使い分けをするのがベストかなと考えていますね◎
あえて短くまとめると以下のような使い分けになるかと思います
- Inflator:
ダイナミックレンジを広げて、各トラック、もしくはミックスに存在感を持たせるために使う - Limiter:
自然でクリーンな音質を保ったまま、ピークレベルを調整しつつラウドネスを上げるために使う
どちらも評価の高い定番製品で、プロ・アマ問わず支持されているプラグインです。ぜひこの機会に手に入れて、ワンステップ上の音を目指してみてください!
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システム要件
G5ライセンス – 現行バージョン
- Windows
Windows 7 – 11
Toolbox ListenHubは未対応 - macOS
10.12 (Sierra) – 12.3 (Monterey) – Intel、 Apple Silicon (Rosetta 2での動作)をサポート*
Pro Codec, Codec Toolbox, および Oxford Restoreは macOS 10.15 (Catalina)までのサポート
*以下4製品はApple Silicon ネイティブ対応(Ableton Live 11.1 VST3ではRosetta 2での対応となります)
Oxford Inflator v4.00.0[261]POxford Limiter v4.00.0[174]POxford TransMod v4.00.0[119]PToolbox VoxDoubler v2.00.0[312]P
対応プラグインフォーマット
- 64-bit VST2、VST3 (Restore, Pro-Codec and Codec ToolboxはVST3未サポート)
- 64-bit Audio Units
- 64-bit AAX Native、 AAX DSP(要HDライセンス)
- 32bitは対応する製品のレガシーバージョン=G4ライセンスにてサポート