こんにちは、おゆひよこ(@oyu_sound)です
「DTMに興味があるけど、どのパソコンを選べばいいか迷う・・・」
この記事では、DTM用にWindowsとMacのどちらが適しているか、そのメリット・デメリットを比較して最適な選択をするお手伝いをします!
WindowsとMac、それぞれの特徴とは?
DTMを始める際の最大の悩みは、WindowsかMacかの選択です。それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう
Windowsの特徴
Windowsの最大の魅力は「コストパフォーマンス」と「カスタマイズ性」です
Windowsパソコンはさまざまな価格帯があり、初心者向けの5万円程度のものからハイエンドの20万円以上のものまで幅広く選べます。初心者向けは基本的な音楽制作に十分で、ハイエンドモデルは大規模なプロジェクトや複数のプラグインを使用するのに適しています
以下はWindowsの主なメリットです
- コストパフォーマンスが良い:同じスペックのパソコンでも、Macに比べて比較的安価に手に入ります
- カスタマイズの自由度:メモリ増設やハードウェアのアップグレードが比較的簡単にできます
- BTOパソコンの選択肢が多い:自分の用途に合わせたオーダーメイドの構成が可能です
BTO・・・Build To Orderの略で、顧客の注文を受けてから製品を組み立てる受注生産方式を指します
しかし、Windowsにはデメリットもあります
- 互換性の問題:DAWソフト(デジタルオーディオワークステーション)やプラグインの一部はMacに最適化されていることが多く、互換性に注意が必要です
- セキュリティの懸念:Windowsはウイルスの標的になりやすいため、セキュリティ対策が必要です
Macの特徴
一方、Macの最大の魅力は「安定性」と「使いやすさ」です
特に音楽制作ソフト(DAW)であるLogic ProはMac専用で、直感的なインターフェースや豊富な音源がプロに愛用されています。エフェクト数が多く、作曲からミキシングまで一貫して対応できる点が人気です。
以下はMacの主なメリットです
- 安定性:ハードウェアとソフトウェアがAppleで一貫して設計されているため、システムが安定して動作します
- Logic ProやGarageBandが使える:これらのソフトは非常に直感的で、初心者からプロまで幅広く支持されています。シンプルなUIで直感的に操作できるため、初心者でも始めやすく、プロにとっても効率的です
- 視覚的なデザインとユーザーインターフェースが美しい:直感的に使いやすく、クリエイティブな作業をサポートします
デメリットとしては以下のような点が挙げられますね
- 価格が高め:Macは一般的に高価で、初期投資が必要です
- カスタマイズの自由度が低い:メモリ増設やパーツ交換は難しく、基本的には購入時のスペックで使用します
WindowsとMacのメリット・デメリットまとめ表
項目 | Windows | Mac |
---|---|---|
コストパフォーマンス | 高い(安価に入手可能) | 低い(高価で初期投資が必要) |
カスタマイズ性 | 高い(パーツの交換が容易) | 低い(基本的に変更不可) |
安定性 | 中(互換性により不安定なことも) | 高(ハード・ソフトの統一性) |
使用可能なDAW | 多くのDAWが対応 | Logic Pro、GarageBandなど限定的 |
セキュリティ | ウイルス対策が必要 | Appleの厳格なセキュリティ管理 |
デザインと使いやすさ | 個々に異なる | 直感的で一貫したデザイン |
DAWソフトの対応状況
DTMで使用する際のOS選びにおいて、DAWソフトウェアの対応状況は非常に重要です。それぞれのOSで利用できるソフトウェアの違いを見てみましょう
DAWソフト名 | Windows対応 | Mac対応 | 特徴 |
---|---|---|---|
FL Studio | ○ | ○ | EDMやヒップホップの制作に人気。直感的な操作が魅力。 |
Cubase | ○ | ○ | 総合的な音楽制作に強く、プロも多く使用。 |
Ableton Live | ○ | ○ | ライブパフォーマンスに特化し、クリエイティブな作曲に最適。 |
Logic Pro | × | ○ | Mac専用で、音楽制作の標準的なツール。多くのプロが愛用。 |
GarageBand | × | ○ | 初心者向けで簡単に操作できる無料のDAW。 |
Pro Tools | ○ | ○ | レコーディングスタジオでの業界標準。プロ仕様のDAW。 |
Studio One | ○ | ○ | 直感的な操作性と高い機能性を兼ね備え、初心者からプロまで幅広く支持。 |
Windowsで使用できる主なDAW
- FL Studio:EDMやヒップホップのトラック制作に人気のDAWで、初心者からプロまで幅広く使用されてます
- Cubase:作曲や録音、ミキシングなど、総合的な音楽制作に向いてます
- Ableton Live:ライブパフォーマンスに特化した機能が多く、クリエイティブなループベースの作曲に最適です
- Studio One:直感的な操作性と高い機能性を兼ね備え、初心者からプロまで幅広く支持されてます
Windowsは多くのDAWソフトに対応しており、選択肢が豊富です。そのため、好みや制作スタイルに応じた柔軟な選択が可能です
Macで使用できる主なDAW
- Logic Pro:Mac専用のDAWで、音楽制作に必要な機能が充実しており、多くのプロに愛されてます
- GarageBand:初心者向けの無料DAWで、簡単な操作でプロ並みのサウンドが得られます
- Pro Tools:業界標準のDAWで、プロフェッショナルなレコーディングスタジオでも多く使用されてます
- Studio One:Macでも動作し、直感的な操作性と高い機能性を提供してます
特にLogic ProはMac専用で、多くのミュージシャンがMacを選ぶ理由となっています
WindowsとMacのシェア率と音楽業界のトレンド
次に、音楽制作の現場におけるWindowsとMacのシェア率について見ていきましょう
音楽業界では、Macの使用率が高い傾向があります。具体的なデータとして、2018年のIFPI(国際レコード産業連盟)の報告によれば、音楽制作においてMacの市場シェアは約70%とされています。この高い使用率の背景には、Apple製品の一貫性や、Mac専用の音楽制作ソフトであるLogic Proの存在、さらには視覚的なデザインの優位性が挙げられます
しかし、最近では、WindowsのBTOパソコンの普及やFL Studioの人気上昇により、Windowsのシェアも徐々に増加しています
初心者にとっての選択肢:WindowsかMacか?
初心者にとっての最大のポイントは「使いやすさ」と「初期投資の負担」です
たとえば、Windowsなら約10万円ほどでBTOパソコンを購入することができ、Core i5、16GB RAM、256GB SSDというスペックでも快適に音楽制作が始められます
一方、Macの場合は最低でも約15万円以上の初期投資が必要ですが、GarageBandのような無料で高機能なDAWが利用できるため、すぐに制作をスタートできます。ハードウェアとソフトウェアの統合による安定性や、Appleのブランド価値が高価格の理由です
ここで、初心者におすすめの選択肢について考えてみましょう。
初期費用を抑えたい場合はWindows
もしあなたが低コストでDTMを始めたいと考えているなら、Windowsを選ぶのがおすすめです。特に、BTOパソコンを選ぶことで、自分の用途に合った最適なスペックのPCをリーズナブルに手に入れることができます
また、FL StudioやCubaseのように、Windows対応の優れたDAWも多く、手軽にスタートできます
直感的な操作と安定性を重視するならMac
一方で、安定した環境でDTMを始めたい場合や、将来的に本格的な音楽制作を目指しているなら、Macを選ぶのが良いでしょう
GarageBandは無料でありながら高品質なサウンドが得られるため、音楽制作の最初の一歩として非常に優れたツールです。さらに、将来的にLogic Proに移行することで、よりプロフェッショナルな制作環境にシームレスに移行できます
詳しくは「【2024年版】失敗しないDTMパソコンの選び方ガイド!初心者向けのスペック解説」でも解説しているので、ぜひ参考にしてください!
パソコンのスペックに関する推奨ガイド
DTMにおいて、パソコンのスペックはとっても重要です! この記事では基本的なスペックを説明しますが、より詳細な情報については、上記の記事も参考にしてください◎
推奨スペック
- CPU:Core i5以上(できればi7やRyzen 7クラス)
- メモリ:16GB以上(多いほど快適)
- ストレージ:SSD 512GB以上(音源やプロジェクトファイルの保存に余裕を持つ)
- グラフィックカード:基本的にオンボードで問題ありませんが、ビジュアル系のプラグインを多用するならGPUを検討
これらのスペックを目安に、用途に応じたカスタマイズも検討しましょう。特にWindowsでは、スペックの自由なカスタマイズが可能なので、自分の制作スタイルに合わせた最適な構成が選べます
周辺機器との互換性や推奨機材
音楽制作では、パソコン本体だけでなく、周辺機器との互換性も重要です。ここでは、オーディオインターフェースやMIDIキーボードなど、WindowsとMacでの互換性や推奨機材を紹介します
- オーディオインターフェース:MacはThunderbolt接続が使える点で高速なデータ転送が可能です。一方、WindowsはUSB接続が一般的で、幅広い選択肢があります。具体的な製品としては、Focusrite Scarlettシリーズ(USB接続)やUniversal Audio Apolloシリーズ(Thunderbolt接続)が人気です
- MIDIキーボード:ほとんどのMIDIキーボードはWindowsとMacの両方に対応してますが、ドライバのインストールが必要になることが多いため、セットアップの手軽さを考えるとMacに若干の優位性があります。具体例として、Korg MicroKeyシリーズやAkai MPK Miniがよく使用されてます
- モニタースピーカーやヘッドホン:どちらのOSでも使用可能ですが、接続のインターフェース(USBやオーディオジャックなど)を事前に確認しておくと良いでしょう。Yamaha HS5やKRK Rokitシリーズなどが代表的なモニタースピーカーです
初心者におすすめの機材については「【DTM初心者向け】最初は何から始める?必要な機材とカンタンな始め方を徹底解説!」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください
価格シミュレーションと長期的なコスト
パソコンを選ぶ際には、初期費用だけでなく、長期的なコストも考慮する必要があります
初期投資とアップグレードコスト
- Windows:BTOパソコンを選ぶことで、初期費用を抑えられるほか、必要に応じてメモリやストレージを増設するなどのアップグレードが可能です。これは、DTMを続けていく中で新しいプラグインや音源を追加したくなったときに柔軟に対応できます
- Mac:初期費用は高めですが、システムの安定性や長寿命である点を考えると、長期的なコストパフォーマンスは良好です。ただし、アップグレードが難しいため、購入時にしっかりとスペックを選んでおく必要があります
ソフトウェアのアップデートとメンテナンス
- WindowsはOSのアップデートに伴い、互換性の問題が発生することがあります。そのため、使用するDAWやプラグインが最新のWindowsバージョンに対応しているかを定期的に確認する必要があります
- Macでは、Appleによるシステムアップデートが年1回程度行われ、互換性が保たれやすいですが、新しいOSリリースに伴い一部のプラグインが使えなくなることもあるため、注意が必要です
音楽ジャンルとOSの適性
DTMにおけるOS選びは、制作する音楽ジャンルや使用するプラグインによっても異なります。以下に、ジャンルごとの適性と具体的なプラグイン名、活用方法を示します。
音楽ジャンルごとのOS適性まとめ表
音楽ジャンル | おすすめOS | 推奨DAW | 使用プラグイン例 |
---|---|---|---|
エレクトロニカ、EDM | Windows | FL Studio, Ableton Live, Studio One | Serum(直感的な操作感と高品位な音質)、Massive(定番シンセ) |
ポップス、シンガーソングライター | Mac | Logic Pro, Studio One | Kontakt(リアルなアコースティック音源) |
ロック、オーケストラ | Windows/Mac | Cubase, Logic Pro, Studio One | Kontakt(オーケストラ音源)、Guitar Rig(ギターエフェクト) |
ライブパフォーマンス | Windows/Mac | Ableton Live, Studio One | Serum(ライブ中の柔軟なサウンドデザイン)、Massive |
エレクトロニカやEDMならWindows
FL StudioやAbleton Liveが特におすすめ。これらはWindowsで安定して動作し、SerumやMassiveといった人気のプラグインとの相性も良く、プラグインを多用したサウンドデザインに最適です
Serumは高品位な音質と直感的な操作感で知られ、多数の即戦力プリセットを備えています。 Massiveは、EDMやエレクトロニカで定番のソフトシンセであり、豊富な音色と柔軟な音作りが可能です
ポップスやシンガーソングライターならMac
Logic ProやGarageBandはMac専用で、特にメロディ主体の楽曲制作に向いています。Logic Proは直感的なインターフェースや豊富な音源がプロに愛用されています
また、Kontakt音源なども安定して動作し、アコースティックなサウンドが必要な場合にも対応できます。Kontaktは、幅広いサンプルライブラリを持つサンプラーで、リアルな楽器音源を提供します
ロックやオーケストラならWindowsまたはMac
Cubaseは、オーケストラやロックの制作に強く、WindowsとMacの両方で使用可能です。特に大規模なプロジェクトでMIDI編集が必要な場合に向いています
また、Kontaktを使用することで、リアルなオーケストラ音源を活用できます。Logic Proでも、Kontaktをマルチティンバーインストゥルメントとして使用することで、複数の音色を同時に扱うことが可能です
ライブパフォーマンス重視ならWindowsまたはMac
Ableton Liveは、ライブパフォーマンスに特化したDAWであり、WindowsとMacのどちらでも使用可能です。特にリアルタイムでのループ操作やトラック編集に強みがあります
また、SerumやMassiveなどのプラグインを組み合わせることで、ライブ中のサウンドデザインも柔軟に行えます
このように、制作する音楽ジャンルや使用するプラグインに応じて、最適なOSとDAWを選択することが重要です
僕はいろんなジャンルの曲を作りたかったからWindowsでStudio Oneを使ってる
プロの視点:WindowsとMacの選択
音楽制作のプロから見た場合、どちらのOSも魅力的な特徴を持っています。プロデューサーによっては、ライブパフォーマンスを重視するためAbleton Liveを使い、Windowsを選ぶ人もいれば、映画音楽やオーケストラの制作を行うためにLogic Proが使えるMacを選ぶ人もいます
日本のアーティストでの具体例
音楽制作のプロフェッショナルは、自身の音楽スタイルや制作環境に合わせて、WindowsまたはMacを選択しています。以下に、日本のアーティストの具体例を表にまとめました
アーティスト名 | 使用OS | 使用DAW | 選択理由 | 代表曲 |
---|---|---|---|---|
米津玄師 | Mac | Logic Pro | 直感的な操作性と豊富な音源が、多ジャンルの制作に最適なため | 「Lemon」 |
Vaundy | Windows | Cubase | 柔軟なMIDI編集機能とWindowsのカスタマイズ性が、彼の多様なジャンルへの対応を支える | 「東京フラッシュ」 |
あいみょん | Windows | Studio One | Studio Oneの直感的な操作性が、シンプルで感覚的な楽曲制作にマッチ | 「マリーゴールド」 |
Snail's House | Windows | FL Studio | FL Studioのビートメイキング機能が、リズム重視の制作スタイルに適している | 「Pixel Galaxy」 |
久石譲 | Mac | Logic Pro | Macの安定性と高い処理能力が、大規模なオーケストラ作品の制作に適している | 「Summer」 |
このように、各アーティストは自身の音楽スタイルや制作環境に合わせて最適なOSとソフトウェアを選択しています
プロが重視するポイント
- 安定性:プロジェクトを多く抱える場合、OSの安定性は重要です。Macは高い信頼性で知られています。特に映像制作や音楽業界で広く使われ、その安定性が評価されています
- コストパフォーマンス:ハードウェアのコストやカスタマイズ性を重視する場合、Windowsが選ばれることが多いです
クラウドやリモートワークの観点からの選択
最近では、リモートワークやクラウドベースの音楽制作が増えています。MacはiCloudを使ったシームレスなファイル共有が可能で、iPhoneやiPadとの連携もスムーズです。一方、WindowsでもGoogle DriveやOneDriveを利用してクラウドでのプロジェクト管理が可能です
リモートコラボレーションを行う場合のポイント
- MacではAirDropを使って簡単にファイルを共有でき、他のAppleデバイスとの連携がスムーズです
- Windowsでもさまざまなクラウドサービスが利用可能で、プロジェクトのバックアップやチームとのコラボレーションがしやすくなっています
サポートとカスタマーサービスの違い
WindowsとMacでは、サポート体制にも違いがあります
- MacはApple直営店での対面サポート(Genius Bar)があるため、トラブルが起きた際の対応が迅速です
- Windowsはメーカーによってサポート体制が異なりますが、オンラインチャットや電話での対応が一般的です。また、ユーザーコミュニティも活発なので、オンラインフォーラムでの情報交換が役立つこともあります
まとめ:自分に合った選択をしよう
DTMを始める際のWindowsとMacの選択について、その特徴、メリット・デメリット、周辺機器との互換性、音楽ジャンルごとの適性など、さまざまな角度から見てきました。最終的な選択は、あなたの予算、制作スタイル、将来的な展望に基づいて決めることが大切です
- コストを抑えて柔軟にカスタマイズしたいならWindows
- 安定性やAppleエコシステム、音楽制作向けの専用ソフトを使いたいならMac
DTMの世界には正解はありません。どちらのOSを選んでも、素晴らしい音楽制作が待っています。ぜひ自分に合った環境を見つけて、クリエイティブな音楽制作ライフを楽しんでください!